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プラネタリーヘルス研究コア

プラネタリーヘルス研究コアでは、人の心と健康を守るプロジェクトを展開します。

 

肌の仕組みの理解(培養したヒトの皮膚組織で薬の影響を調べる)

「肌の仕組みを理解する」というテーマでは、培養したヒトの皮膚組織を使って、薬や化粧品がどのように肌に影響を与えるかを調べる研究を行っています。

肌は体の一番外側にあり、私たちを外部から守る大切な役割を果たしています。また、健康や美容にも深く関わるため、肌の仕組みを理解することは、健康を保つために非常に重要です。特に薬や化粧品がどのように肌に作用するのかを詳しく知ることは、より安全で効果的な製品の開発に役立ちます。

私たちの研究では、培養したヒトの皮膚組織を使い、薬が肌の細胞にどのような変化を引き起こすかを、分析化学の技術を用いて詳しく調べています。この方法を使えば、肌に微量な変化を正確に検出することができ、どの成分が肌に良い影響を与えるか、逆に悪い影響を与えるかを理解することができます。

このテーマの魅力は、私たちの生活に直結する問題にアプローチできる点です。肌を守る新しい方法や、より安全な薬や化粧品の開発に貢献する可能性があり、日常生活に役立つ研究として、非常に興味深いものです。


 

がんや生活習慣病のリスク評価、ストレスの診断(血液や尿、汗から身体の変調を察知する)

超高齢社会において健康寿命の延伸が強く望まれています。血液一滴、あるいは尿や呼気などの苦痛を伴わずに採取できる試料を用いて、体調のわずかな変化や疾病を察知することができる早期診断技術の開発が注目されています。そこで重要となるのは、生体内における代謝反応に関与する親水性の化合物群(Metabolome)を精密に測定する技術です。

当研究室では、呼気凝縮液の分析による早期診断法の開発や、そのための固相誘導体化-ガスクロマトグラフ質量分析法による親水性代謝産物の精密分析技術の開発に取り組んでいます。→メタボロミクスについて詳しく見る


 

生物を用いた環境調査(生物の”元気度(生体物質組成)”で有害物質を見極める)

生物は、生育環境やストレスに応じて体内の成分を調節し、適応する能力を持っています。そのため、環境中に有害物質が存在すると、生物の体内では様々な代謝変化が起こります。私たちは、この変化を細かく調べることで、どのような有害物質が環境にあるのかを突き止めることができます。

特に、最先端の分析技術であるリピドミクス、プロテオミクス、メタボロミクスといった網羅的な生体成分の解析方法や、イメージング技術を活用しています。これらの技術を組み合わせることで、生物がどのように環境に適応しているか、またどんな有害物質が生物に影響を与えているかを深く理解することができます。さらに、多変量統計解析を使って、大量のデータから有用なバイオマーカー(環境の異常を示す指標)を抽出し、正確な環境モニタリングを可能にしています。

この研究の魅力は、環境問題を自然界の生物の健康状態から把握できる点にあります。生物の生体成分の変化を通じて、目に見えない有害物質の存在を見つけ出し、環境保護に役立てることができるのです。こうした技術は、私たちの未来の環境を守り、より持続可能な社会を作るための大切な一歩となります。