富士フイルムメディカル株式会社 総合職
竹内 裕紀 (生命科学研究科 修士課程 生命物理科学研究室 2019年3月修了)

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私は2019年4月より富士フイルムメディカル株式会社にて、フィールドサービスエンジニアとして勤務しております。フィールドサービスエンジニアとは、各病院に設置された富士フイルム製品の機器の点検や修理を行う職業です。主な業務としてはドライバーを持った作業が中心になります。もしかしたら、内視鏡やレントゲンの機器や作業に来たエンジニアを見かけたことある人がいるかもしれません。
もし、病院の機器の状態が悪くなってしまった場合には病院の検査が止まってしまうため、素早く作業することが必要となります。時には、受診のために来ている患者を待たせたままでの作業になることもあります。いまの業務は先輩方に同行して学ぶことが中心ではありますが、現場での作業時には常に自身が富士の代表として機器の点検や修理をするために来ているという緊張感を持って取り組んでいます。扱う機器の中にはコンピューターに関わることも多く、これまで情報科学や研究室で学んだコンピューターに関する知識が役に立っています。
最近では、医療情報技師の資格を取るために日々勉強をしています。その試験の内容には、東薬の授業で学んできた医学の知識や、コンピューターに関する内容が含まれています。これまでに得た知識をここで発揮し、検定に合格すべく取り組んでいます。 大学を決める際に、これからやりたいことを大学で見つけたいと考えている人もいると思います。私も分野のみは決めていましたが、実際に何をしたいかと言えば、漠然と考えていただけでした。東薬であれば生物、化学、物理の内容を幅広く学ぶことができ、自身がやりたいことを広い視野から考えることができました。そして、授業や研究で培った知識や考察力は志望する分野以外にも幅広く活かすことができました。
進路決定をしていく上では、後悔のないように積極的な行動をしてほしいと思います。どんな簡単な理由でもいいと思います。自分の行動した分だけ、選択肢が広がっていきます。きっと、その中に自身にあった進む道が見つかると思います!

(全845文字)

独立行政法人 国立病院機構 事務職(総合職)
岡嶋 大樹 (生命医科学科 生命物理科学研究室 2017年3月卒業)

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私は、2017年4月に独立行政法人国立病院機構の事務職(総合職)として採用され、現在は清瀬市にある国立病院機構東京病院に勤務しています。東京病院は結核療養所として開設され、結核治療や医学研究の中心的な役割を果たしていました。現在は総合病院として、呼吸器疾患を中心とした政策医療分野の機関施設となっています。100床持つ結核病床は日本最大規模の病床数を誇っています。また、東京都がん連携協力病院や地域災害拠点病院に指定されるなど、地域の拠点病院として先端の医療を提供しています。病院の事務の仕事は、受付や算定を行う医事業務をする事を想像されると思いますが、その他にも、職員の給与を計算したり、財務管理をしたり、物品調達をおこなったりと多岐に渡る業務を行っています。国立病院機構として独特な点として、病院の運営方針や経営戦略の計画立案を行う経営企画室があり、経営改善に力をいれています。この中でも、私は契約業務を行う部署に配属され、パソコンやプリンター、トナーなどの一般消耗品と呼ばれる物品類の購入契約などの業務を行っています。病棟や各部署から請求があったものを購入することが主な業務です。部署と相談しながら本当に必要な物品なのかを見極め、修理や調達を行っています。請求があったときには、なるべく現場に行くようにし、なぜその物品が必要なのか、どのようなものが必要なのかを自分の眼で確認することを心がけています。自分が現場の方や業者の方との間に入り、交渉していくことで、安く早く現場に渡す事が可能となり、早く現場に納入できた時に喜ばれることにやりがいを感じます。まだまだ不勉強なことが多く困難な事も多いですが、上司と相談しながら進めていくことで解決しています。私は、幼少の頃の入退院や手術の経験から生命に興味を持ち、基礎から応用まで生命現象を幅広く学ぶことができる東薬の生命科学部生命医科学科に入学しました。大学に入ってからは、毎日が大変充実した日々でした。学業面で特に印象的だったのは、3年次の生命医科学特講や生命医科学実習での東京医科大学に訪問しての解剖実習でした。生命医科学特講では、東京医科大学や本学で最先端の研究をされている先生のお話を伺うことできました。講義では触れられないような最新で専門的な内容を学ぶことができ、勉強のモチベーション向上に繋がりました。解剖実習では、教科書の図や言葉だけでは理解し得ない、繊細なヒトの身体について詳しく知ることができました。4年次に配属された生命物理科学研究室では、東京医科大学病態生理学分野の林由起子先生との共同研究により、コンピューターシミュレーションを用いて分子動力学法による筋疾患関連タンパク質の研究を行っていました。私の代からのプロジェクトで困難な事もありましたが、素晴らしい先輩・先生のお陰で充実した研究室生活を過ごすことができました。学業以外では、ハルモニア管弦楽団に所属しファゴットを演奏していました。年2回の本番や、東薬祭、地域交流の一環としてのアンサンブルコンサートを通して、学部や学年を超えた繋がりの中、協力し一つのものを創りあげる喜びを感じました。東京薬科大学の生命科学部で学んだ事とは直接関係の無い環境で働いていますが、講義や実習・研究室で培った思考力や文章能力は活きていると思います。今後、自己研さんを積むことでより幅広く業務に携わり、機構全体の運営に携われる人材になっていきたいと思っています。

(全1433文字)

駿台甲府高等学校 教員
前田 泰明 (分子生命科学科 生命物理科学研究室 2010年3月卒業)

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私は現在、山梨県の駿台甲府高等学校で教員をやっております。教員の仕事でまず思い浮かぶのは「授業」ですが、生徒と会話をする時間も大切です。それに加え、担任事務の処理、PTA活動、部活動、学会研修、入試研究など、やることは多岐にわたります。1日の労働時間が12時間を越え、土日の休みも余りないのが普通な世界です。肉体的にも精神的にもつらくなることは多いですが、すべての勉強、すべての仕事は生徒とつながっていて、『今やっていることは生徒のためになっているのだ』、そう考えるだけで仕事はやりがいのあるものになっています。生徒がかわいくてしょうがないのです。東薬の生命では、理科教員になるための、とてもいい環境があると思います。東薬の生命では、生物、化学、物理、3科目すべてを学ぶことができます。それぞれの科目のつながり、いまの開発されている技術との関連など、ただ1分野で専門の勉強をするだけでは見えてこないことが学べ、それを生徒に話せることは、理科の教育で大きなアドバンテージになっています。生命物理科学研究室も、工学系の物理とは一味違う、化学の知識とつながる物理を知ることができる場所です。また、論理的な話の仕方も東薬で学ぶことができたと思います。「○○だから□□となる」「○○は□だからよくないので、△△してそれを防ぐ」など『原因と結果』『理由と対策』などをしっかりと組み立て説得力のある話をする癖が、日々のレポートや実験の考察から身につきました。授業の展開はもちろん、生徒指導でも『説得力』は重要なキーワードの1つです。これができない人は意外に多いです。今文章を読んでくれている人の中に、もしかしたら教員という道を考えている人がいるかもしれません。東薬の生命は、理科教員になるための環境としてとても魅力のあるところですが、生徒が好きで好きでしょうがない、という人しか続かない仕事です。勉強が好きだから、理科が好きだから、教えるのが好きだから、だけでは教員にはなれないのかなと思います。しかし、そんなことは、なってみないとわからないことです。進路選択は進んでみないとわからない、という面が多分にあると思います。迷いながらもじっくり考え、それでも答が出なかったらあれこれ考えずに、思い切って飛び込んでみて下さい。「決定」までの道は、人それぞれになると思いますが、悔いのない選択をしてほしいと思います。

(全997文字)

山梨県職員(行政職)合格, 山梨県教育委員会わかば支援学校主事
堀口 めぐみ (分子生命科学科 生命物理科学研究室 2010年3月卒業)

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私は2010年4月に山梨県職員(行政職)に採用され、本庁長寿社会課で高齢者の生きがい対策等の業務を2年間行いました。今年4月からは知的な障害者児童が通うわかば支援学校で、奨励費や給与事務などの業務をしています。県庁の仕事は多岐に渡っている分、多くの経験を積み、様々な人と出会うことが出来ます。どの部署の仕事も、様々な角度から県民の生活を支え、質の高い県民サービスを提供していく一助になることに非常にやりがいを感じ、自分自身も日々刺激を受けています。私は高校時代、漠然とバイオテクノロジーに興味がありました。幅広い分野から生命現象のメカニズムについて学べる点や、「就職に強い大学」と先生からの助言もあり、東薬の生命科学部を選びました。東薬では1年次から実習があり研究設備が充実していて、親身になってサポートしてくれる先生方など有意義な大学生活を送るための環境が整っています。中でも私は1年の生命科学ゼミナールで学んだ、生物の一見ランダムに見える動きを物理学の視点から解析することに興味を持ち、4年の時は生命物理科学研究室に所属しました。研究室で学んだ、突き詰めて考える思考力や、何事にもねばり強く努力する姿勢は、今でも役立っています。学生時代、制度の中枢である行政の仕事に憧れ、公務員の行政事務職を志望しました。ゼミの課題や卒業研究、公務員試験の勉強と、図書館に缶詰の毎日でしたが、目指すべき目標に向かって流した汗は無駄ではなかったと心から実感しています。東薬で学んだ事は、分野は違っても活きています! 進路に迷っている方や就職活動をされる方は視野を広げて何事にもチャレンジして欲しいと思います。

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