分子生命科学科
医薬品開発プロジェクト
東京薬科大学 生命科学部

GSTP1蛍光プローブ(がん診断薬)と阻害剤(がん治療薬)の開発

分子生物化学研究室.東京大学創薬機構,国立がんセンター

プロジェクト概要

がん細胞に高発現している酵素 GSTP1 の活性を検出する蛍光プローブを開発し,がん細胞の検出に応用する.
また,GSTP1 を阻害する薬剤を開発し,がん治療への応用を目指す.
 
 

進捗状況

研究分担
分子生物化学研究室:蛍光プローブ開発,阻害剤スクリーニングとヒット化合物の評価,病理組織解析
東京大学創薬機構:スクリーニング支援
国立がんセンター:病理組織解析
 
特許出願 特願2017-59526号
 
第16回 バイオ・ライフサイエンス研究展 BIO tech 2017
BioJapan 2015
第14回国際バイオテクノロジー展 BIOtech2015
 
2017年11月 GSTP1のエステル加水分解活性を発見し,それに基づいたGSTP1活性検出蛍光プローブの開発に成功しました.
Yuuta Fujikawa, Taiki Nampo, Masaya Mori, Manami Kikkawa, Hideshi Inoue, Fluorescein diacetate (FDA) and its analogue as substrates for Pi-class glutathione S-transferase (GSTP1) and their biological application. Talanta in press.  
 
2018年3月  東京大学創薬機構が保有する208,987種類の化合物についてヒトGSTP1阻害作用を調べました.阻害作用を示した1,665化合物についてカウンターアッセイを実施中.
カウンターアッセイとは?
阻害剤の選択性を評価するための試験.GSTは,様々な薬物や化合物を解毒・代謝する酵素で,たくさんの種類がある.代表的なGSTであるGSTA1とGSTM1に対する阻害活性を測定して,GSTP1だけを選択的に阻害する化合物を絞り込む.
 
2018年4月 本プロジェクトを強力に推進している分子生物化学研究室の南保泰希さんが日本薬学会第138年会で学生優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞しました.研究室HPはこちら
発表タイトル:新規 GSTP1 選択的阻害剤の開発およびその作用メカニズムと構造活性相関研究
 
2019年6月 GSTP1に対して高い選択性を持つ蛍光プローブPs-TAcの開発に成功し,論文発表しました.
Masaya Mori,  Yuuta Fujikawa,  Manami Kikkawa,  Moeho Shino,  Mei Sawane,  Shiho Sato  and  Hideshi Inoue, A highly selective fluorogenic substrate for imaging glutathione S-transferase P1: development, cellular applicability to epigenetic studies, Chem. Commun. in press.
 
2019年6月 ナフタルイミドがGSTの基質となることを発見し,蛍光GST活性プローブとしての有用性を示しました.
Yuuta Fujikawa, Kenta Terakado, Taiki Nampo, Masaya Mori, Hideshi Inoue, 4-Bromo-1,8-naphthalimide derivatives as fluorogenic substrates for live cell imaging of glutathione S-transferase (GST) activity, Talanta in press.  
 
2019年9月 分子生物化学研究室の藤川助教らが開発した蛍光プローブが市販化されました.こちら