キーワード解説

生命の進化 (Evolution of Life)

 生命は進化すると明確な形で提起したのはダーウィンである。ダーウィンは著書「種の起源」の序文で、彼の提唱する「自然選択説」を以下の様にまとめている。すなわち、1)生物は多くの子孫を生み、2)それらの子孫には変異があり、3)一方、生物を養う資源には限りがある、4)そこで、多くの子孫の中での最適者が生存する。この過程が繰り替えされ、遺伝の仕組みで種全体が変化していく。このダーウィンの考えは自然選択説と呼ばれている。家畜や農作物植物は牧畜家や農家が何代にもわたって、選別を行った結果として誕生した。この過程が人為選択と呼ばれるのに対し、自然が行う選択過程は自然選択と呼ばれている。

 地球上の生物が進化していることはいくつかの学問から証拠を得ることができる。地層を調べると多くの化石が出土して、それらから生物の進化の跡をたどることができる。また、現存する生物の形態や発生過程を比較するとお互いに類似しており、これは祖先生物から派生した形質であると関連づけることができる。地理的に近接した場所には似た生物が生息していて、地理的に隔離された場所では独特の生物が生息することも進化によって説明できる。異なった生物の同一の遺伝子を比較すると、そのDNAやアミノ酸配列(並び順)は生物間で非常に似ている。遺伝子配列を比較することから進化系統樹(分子進化系統樹)を作製することもできる。こうした事柄から、地球上の生物が進化してきたことは間違いがない。

 地球上の生命は今から38億年前に誕生した。誕生した生命の内で、現在のすべての生物の共通の祖先となった生物はコモノートと呼ばれている。最初の20億年は地球上の生物は、すべて単細胞の1μm(1mmの千分の1)程度の大きさの生物であった。これは、細菌、バクテリアあるいは原核生物と呼ばれている生物の仲間である。今から約20億年前、それらの中のいくつかの種が融合、細胞内共生して大型の細胞を持つ生物、真核生物となった。10億年ほど前、単細胞であった真核生物は多細胞化を始めた。6億年ほど前、古生代初期、現存する動物門のほとんどすべてが誕生した。カンブリアの大爆発と呼ばれている(図Margulisより改変)。古生代後半になるとこれらの内のいくつかが陸上へ上陸した。前後して植物も上陸し、陸上での進化を開始した。ヒトの祖先が誕生したのは、ほんの数十万年前のことである。地球上の生物は長い進化の歴史の結果、現在の形になった。(山岸)

もっと詳しく知りたい人は以下の文献を参考にして下さい。
  ・第4章 地球上の生命の進化、山岸明彦、山岸明彦編集 「アストロバイオロジー」、化学同人、43-65 (2013)

 

進化系統樹