セミナーのお知らせ

日時:

7月 5日(木)17:00

場所:

126講義室

講師:


小島 正樹 先生

岩手医科大学 薬学部 

准教授

講義題目:

X線溶液散乱法によるタンパク質の立体構造解析とその応用

講義内容:

現在,タンパク質分子の立体構造は,X線結晶構造解析またはNMRにより決定されているが,試料調製等種々の問題により,最終的に構造決定に至るのは,全体の50%程度とされている.X線溶液散乱(SAXS)法は,試料が溶液であることを除き,結晶回折とほぼ同様の測定原理に基づくが,結晶化や同位体標識等を行う必要がなく,またNMRのような個々のシグナルの帰属作業は不要で,変性タンパクやアミロイド線維といった非天然状態のタンパク質も解析可能である.一方で,溶液中の分子の等方的な配向のため,データの情報量や解像度が低いといった欠点を有するが,近年の種々の計算手法の開発により,他の実験データと組み合わせることにより,こうした点も克服されつつある.本セミナーでは,このようなSAXS法の現状を,演者のグループの研究を交えながら紹介するとともに,膜や線維といった溶液系以外へのSAXSの適用事例,特に膜上でのタンパク質の構造解析の手段の可能性に関してもお話したい.

皆様のご来聴を歓迎します

問い合わせ:

分子生化学 柳 茂
(内線:3080syanagi@ls.toyaku.ac.jp