「高校生物発展講座(高校教員向け)」開講のお知らせ

 

 生命科学の発展に伴い、高校生物の教科書は目まぐるしく改訂されています。その内容には、ここ10年以内の新たな発見・知見も含まれており、現場で教える高校教諭の方々にとっては内容の理解だけでも多くの時間が必要となっています。ご自身が大学時代にまったく修学していなかった内容をどのように生徒に教えたらよいのかと、迷われている方も少なからずおられるでしょう。

 そのような方々の勉強の場として、生命科学部では本年9月〜11月にかけて「高校生物発展講座」(計6回:定員30名)を隔週金曜午後6時(予定)から本学千代田サテライトキャンパスにて開講します。現在予定している内容は以下の通りです。

 

 

 

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日時:平成28年9月9日、23日、10月7日、21日、
11月4日、18日(いずれも金曜日) 18時~19時30分

 

場所:東京薬科大学千代田サテライトキャンパス
JR飯田橋西口より徒歩6分
(http://www.toyaku.ac.jp/access-bus/chiyoda-satellite)

 

参加資格:高校教員(理科)で、原則4回以上参加可能な方。
3回以下の参加を希望される方は問い合わせください。

 

申込方法:大学のホームページから応募ください。
(http://www.toyaku.ac.jp/11995)

 

締切:平成28年8月26日(金) 先着順 約30名
定員に達した場合はHPでお知らせします。

死細胞(緑)の貪食に関わる
脾臓のマクロファージ(赤)と
別のマクロファージ(青)

 

国際宇宙ステーション:微生物暴露実験

組換え植物としてよく利用されている
シロイヌナズナ

 

問合せ先:生命科学部 多賀谷光男 電話:042-676-5419 tayaga@toyaku.ac.jp

 

9月9日(金) 講義担当者:山岸明彦
タイトル:生命はどこでどのように誕生し、進化したか:最新の研究
概要:生命誕生の場は海底熱水噴出孔であると考える研究者が多いが、近年、陸上こそ生命誕生の場であると考える研究者が増えている。最初の生命はRNA生物(DNAではなく、タンパク質でなく)であった可能性が非常に高い。また、生命の進化の研究も、ゲノムの情報をもとに実験的に研究することが可能になっている。実験的証拠に基づいて考えるという点を重視して、最新の研究をわかり易く解説する。現在実施中の国際宇宙ステーションでの微生物暴露実験に関しても説明する。

 

9月23日(金) 講義担当者:中村由和
タイトル:初期発生を司る遺伝子群
概要:ショウジョウバエは初期発生時に働く遺伝子が詳細に解明されているモデル生物であり、1995年にはショウジョウバエを用いた初期胚発生の遺伝的制御機構の研究に対してノーベル医学生理学賞が与えられています。本講義ではショウジョウバエの発生における前後軸形成、体節形成、体節の個性化を担う遺伝子群について遺伝子間の相互作用に注目しながら解説したいと思います。

 

10月7日(金) 講義担当者:佐藤典裕
タイトル:葉緑体と光合成-その起源と進化
概要:シアノバクテリアは真核細胞に共生し、シアネレ、紅色体、緑葉体へ進化したとされる。光合成のうち、炭酸固定経路については、シアノバクテリアのC3型が種子植物まで受け継がれ、種子植物内ではそれがC4型、CAM型に進化もした。一方、光化学系I、IIは、酸素非発生型光合成細菌の光化学系がその起源とされる。本講義では、葉緑体と光合成の起源や進化を遺伝子、タンパク質、膜脂質の各側面も含めて解説し、さらに、バイオ燃料やバイオプラスチック等、光合成を利用した最近の応用研究を紹介する。

 

10月21日(金) 講義担当者:田中正人
タイトル:自然免疫細胞による"非自己"と"危険な自己"の認識
概要:好中球やマクロファージ等の自然免疫細胞は、病原体の侵入を素早く感知し、これらを殺菌、貪食することにより、感染の広がりを押さえる働きを担っている。最近の研究により、この病原体感知の分子機構が明らかになってきた。さらに、自然免疫細胞は、病原体等の"非自己"だけでなく、組織傷害により生じる"危険な自己"も感知し、炎症等の適切な生体応答を誘導することも分かってきた。本講義では、このような自然免疫系による"非自己"と"危険な自己"の認識機構について最近の知見を踏まえて概説する。

 

11月4日(金) 講義担当者:野口航
タイトル:組換え植物の研究での利用の現状と問題点
概要:アブラナ科シロイヌナズナは2000年に全ゲノムが解読され、遺伝子組換えが容易なモデル植物として広く利用されてきた。また、近年のゲノム解読技術や遺伝子組換え技術の進歩により、他の有用な植物のさまざまな現象が遺伝子レベルで明らかにされている。ここでは、実際の組換え植物の研究室レベルでの利用現状や応用的な研究上での問題点を紹介し、組換え植物の一般的な利用における問題点を考察する。

 

11月18日(金) 講義担当者:田中弘文
タイトル:ヒトゲノムとその情報の利用(ヒトゲノムの構成から遺伝子多型、SNPの利用等)
概要:ヒトゲノムの解読が終わってから十数年が過ぎました。ゲノムの大部分は機能しない配列と考えられていましたが、近年では色々な機能をもったRNAの遺伝子が含まれていることが分かってきました。また、各個人のゲノムの違い(0.1%程度)による個人の形質の差(昔は体質とか言われてきたこと)が問題とされるようになり、成人病等の複数の因子が関係する病気や、薬の効き目/副作用とゲノムの違いの関係が解明されつつあります。これら近年の話題の基礎について紹介したいと思います。

 

なお講座開始前にアンケートを採り、上記以外の内容についての講義も検討します。