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医学部学士入学に関する講演会が開催されました。

 

米国においては、医学部は法学部と同様に一度大学を卒業してから入学する制度となっています。近年、我が国においても大学および大学院を修了してから医学部に入学できる制度が拡充されつつあり、国公立大学29校、私立大学数校にこの制度が設けられています。生命科学・薬学を学んだ後で、あるいはそれらの研究に従事した後で、その知識と技術をより直接的に医療に役立てたいという意思を持つ人が生まれることは無理からぬことです。本学卒業生の中にも医学部へ学士入学したり、再入学したりして、医師となる勉強中の人や医師となって活躍している人がいます。

 大学卒業後の選択肢の一つとしての医学部編入学についての情報を提供するため、7月29日に河合塾KALS(学士入学のための予備校)を経て、現在、千葉大学医学部にて医師となろうとしている大野吉史氏による講演会が開催されました。「医学部学士入学のエッセンス」と題し、学士入学の試験制度、試験科目、一般入試と学士入学試験の違い、受験校選択における注意等、ご自身の体験に基づいて約45分の講演が行われました。参加した学生は皆熱心に講演を聞き、講演会終了後にも活発に質問をしていました。

 

大野氏.jpg

公演中の大野氏

 

また本学の卒業生で弘前大学医学部に学士入学した宮沢良太さんからメッセージをいただきました。

 

----- 宮沢さんのメッセージ -----

 

研究の道から医師の道へ

弘前大学医学部6年 宮沢良太(平成23年生命科学研究科修士課程修了)

 

 私の両親は共に薬剤師で、実家は薬局を経営しています。子供の頃から自分も薬剤師を目指すのだろうと思っていましたが、どこか実感が湧きませんでした。大学を選択するにあたり、薬学部のある大学を調べていた時に母の母校である東京薬科大学に生命科学部という研究者、技術者を養成する新しい学部があるのを知りとても興味を持ちました。両親は私が薬学部へ進学することを期待していたようですが、私の意志を尊重し生命科学部に入学することを快く許してくれました。

 生命科学部の講義や実習はどれもレベルが高く興味深いものばかりでしたが、もっとも楽しかったのは4年時の卒業研究と大学院修士課程での研究でした。私は柳教授が主宰する分子生化学研究室に所属し、パーキンソン病の原因遺伝子産物の一つであるαシヌクレインの分解を誘導する新たな治療法の開発に従事しました。朝から夜遅くまで研究に没頭し、実験データが出る時などはとてもわくわくしたのを覚えています。

 修士課程修了後の進路を選択する時期になり、このまま博士課程へ進学して将来は研究者を目指したいとも考えましたが、その頃、別の夢が浮かび上がってきていました。それは医師を目指すという道です。医師である柳教授からパーキンソン病患者の症状や治療の限界など、さまざまな臨床の現場についての話を聞く機会があり、次第に臨床医に憧れを持つようになりました。柳教授に相談したところ、それなら学士入学を目指してみてはどうかと勧めていただき、チャレンジすることにしました。しかし、学士入学はそう簡単ではありませんでした。大学の図書館に缶詰になって猛勉強もしました。一般入試と異なり学士入学には独特のコツのようなものがあり、何度も落ちているうちにだんだん要領がわかってきました。そして2年目にしてようやく弘前大学医学部の学士編入学試験に合格することができました。

 今は最終学年で臨床実習のまっただ中です。僻地での貴重な臨床実習を体験し、さらに医師へのモチベーションが高まっています。私がこのように夢に向かって頑張れるのも生命科学部に入学して出会った多くの先生方や友人のサポートのおかげです。この場を借りて心より感謝を申し上げます。

 

                                         

                                          宮沢良太さん