新規エクジステロイド生合成因子Noppera-bo を標的とした創農薬研究

薬物代謝酵素として知られるグルタチオンS- 転移酵素(GST)は数多くのアイソザイムからなる多機能型酵素であり、細菌や植物、哺乳類まで幅広い生物に存在している。GST は薬物代謝中間体や活性代謝物のグルタチオン抱合反応を触媒することが代表的な機能としてよく知られているが、近年の研究からショウジョウバエGST Epsilon 型の一つであるGSTe14/Noppera-bo が昆虫ホルモンの一種であるエクジステロイドの生合成に重要な働きを持つことが明らかとなった。特にGSTe14/Nopperaboに対するRNAi は幼虫致死の表現型を示し、Noppera-bo が農業害虫であるコナガやマラリア媒介を司るハマダラカにおいても保存されていることから、本タンパクは創農薬の標的分子としての有用性が期待でき、その阻害剤は新たなメカニズムの昆虫発育制御剤となり得る。しかしながらこれまでに利用されてきたGST アッセイ法は、ハイスループットスクリーニング(HTS)のような多検体アッセイを行うことは不可能であった。本シンポジウムでは、創薬等PF 事業の支援・高度化の一環として行ったNoppera-bo 阻害剤開発研究を例に、蛍光プローブ開発を端緒としたHTS 系の構築ならびにその後の展開について紹介する。