卒業生メッセージ

教員・研究者

医療・製薬

食品・化粧品・化学

その他

佐藤 精一 さん

未来の医療を支える学問、それは、生命医科学

平成10年3月 私立 函館ラ・サール高等学校 普通科卒業
平成19年3月 東京薬科大学大学院 生命科学研究科 博士課程 修了(生命科学博士)
平成20年7月 米国ボストン タフツ大学 医学部 博士研究員
平成24年5月 北海道大学 遺伝子病制御研究所 分子生体防御分野 助教

 私は現在、北海道大学・遺伝子病制御研究所・分子生体防御分野で、助教として働いています。癌や感染に対する生体防御機構について、新しい分子基盤を見出すことを目指して研究を行っております。

 まず、東京薬科大学卒業生として、この機会を与えてくださったことに感謝します。私は、高校生の時、生物や化学の授業を通して、分子や、遺伝子、セントラルドグマというものを学び、研究というものに興味を抱きました。

 そして、研究開発者となり新薬や治療法を開発できれば、地球上の人類を救えるのではないかという志を持ち、医学、農学、理学、化学をひとつの学問として捉えた生命科学のパイオニア的な大学で勉強したいと考え、東京薬科大学・生命科学部に進学しました。

 谷佳津子先生の指導のもと、博士課程まで乳癌や白血病に関与するシグナル伝達機構、Abi (Abl interactor) ファミリーによるc-Ablキナーゼの活性制御機構の研究に従事し学位(生命科学)を得ました。きめ細かい指導、最先端の研究を通して、研究者になるための基礎を教えていただきました。

 東京薬科大学での研究を通した教育は、現在でも私の大きな財産となっています。未来の医療を支える学問、それは、生命医科学です。みなさんも必ず、東京薬科大学で有意義な大学生生活を送られるものと思います。

入野 康宏 さん

病気を発見するためのバイオマーカーの探索に取り組んでいます

平成12年3月 生命科学部 分子生命科学科卒業
平成17年3月 東京薬科大学大学院 生命科学研究科博士課程修了
(ゲノム情報学研究室、現ゲノム病態医科学研究室)
神戸大学大学院医学研究科・質量分析総合センター 助教

 代謝の破綻は、数多くの病気の原因になることが分かってきています。病気の中でも特にがんでは、代謝経路が異常をきたしており、その発見は1950年代にさかのぼります。最新の研究結果によると、細胞の代謝を変化させることで、がんは自分自身の生存率を高めるような環境を構築していることが分かってきました。さらに、代謝物自身が遺伝子の発現を制御していることが明らかにされ、「がんは代謝病である」という概念は、最近のがん研究におけるパラダイムの1つとなっています。

 私は、質量分析計を用いて網羅的に代謝物を分析することで、代謝の破綻がどのようにしてがん化を引き起こすのかを調べています。さらに、病気の人の血清中代謝物を網羅的に分析し、健康な人の代謝物と比較し、代謝物の違い(バイオマーカー)を見つけることで、病気を発見できるのではないかと考えており、これを利用した新しい病気の診断法の開発にも取り組んでいます。

 そのためには研究するための知識や技術を身につける必要があります。大学院では、5年という長いようで短い研究期間の中で、研究者になるための最先端の研究に携わる機会が与えられ、研究計画の立案・実施・論文発表までの一連のトレーニングを受けることができます。その経験を生かし日々研究活動に励んでおります。

華表 友暁 さん

生命がもつ不安定なシステムに驚かされます

平成12年 生命科学部分子生命科学科退学(大学院飛び入学のため)
平成16年 大学院生命科学研究科博士課程修了 博士(生命科学)
浜松医科大学医学部腫瘍病理学講座 助教

 現在私はゲノム不安定性・多様性という視点から基礎的がん研究を行っています。この分野では細胞分裂異常やDNA修復異常、発がん性物質などを対象とした研究が盛んで私自身も関連した研究に携わってもいますが、意外なことに人類が歩んできた進化の過程も「がん」と深く関わっていることがわかってきています。数千万年前に祖先種のゲノムに起きた、或いは数万年前~数十万年前にヒトゲノムに起きたと推測される変化(単なる突然変異だけとは限りません!)が、細胞のがん化をはじめとした現在のヒトの疾病にどのように関わっているのかを分子生物学的な手法や高速DNAシーケンサーを含む様々な技術を用いて解き明かす試みは壮大な時の流れを感じさせると同時に、生命というのはとても不安定なシステムの果てに生存し続けているのだと感じずにはいられません。そういうと大げさに聞こえるかもしれませんが、がん研究をしながらもそう感じてしまうのは生命科学部に在籍していた学生時代から“生命科学”と真正面から向き合うことができたためなのでしょう。

 アカデミック研究者となった後も、新しいことにチャレンジし続けることがいかに研究活動や教育活動に重要なことなのかということを日々実感しています。東薬大生命科学部で身に就いたチャレンジ精神を忘れず、自分自身を磨き上げて得られたものを社会に還元していけたらと思っています。

石原 孝也 さん

分裂と融合が繰り広げる世界

平成14年3月 東京薬科大学生命科学部 分子生命科学科卒業
平成16年3月 東京薬科大学大学院 生命科学研究科修士課程修了
(ゲノム情報学研究室、現ゲノム病態医科学研究室)
平成20年3月 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科博士課程修了
平成20年4月 厚生労働省 第3次対がん10か年総合戦略研究事業 リサーチレジデント
平成23年4月 久留米大学分子生命科学研究所高分子化学研究部門 助教

石原 孝也 さん

 近年、さまざまな疾患が遺伝子・タンパク質レベルで理解され、その分子機序の解明から最先端の治療や検査技術が発展しています。私はこれまでがん細胞のゲノム一次構造異常探索やタンパク質修飾機構の変化といった病態に関わる遺伝子・分子の研究を行ってきました。昨年からはこれまでの研究対象よりもずっと“大きな”ミトコンドリアの形態変化に関する研究を行っています。エネルギー合成、アポトーシス制御、活性酸素の産生といった生命活動のバランスを巧みに操るミトコンドリアの機能不全はがんや神経変性疾患など多くの疾患の病因になると考えられています。また、あまり知られていないことですが、組織や細胞によってミトコンドリアはその形態を大きく変えています。それは細胞内でミトコンドリア自身が分裂と融合を繰り返し、機能を十分に発揮できる形態をとっていると考えられます。今後、ミトコンドリアダイナミクスの生理機能を明らかにし、その制御異常と生命現象(疾患や老化など)との関連について調べていきたいと思っています。

石原 孝也 さん

 東京薬科大学で先輩から分子生物学のスキルを教わり、先生からは研究に対する指導だけではなく、研究者としての姿勢や心構えを教わりました。いまでも学会等でお会いする度にいい刺激を与えてもらっています。昨年からは教員として学生を指導する立場になり、東薬で経験させてもらったことを研究や教育につなげようと日々奮闘しています。

石原玲子 さん

久留米大学分子生命科学研究所高分子化学研究部門 ポスドク研究員

平成14年3月 東京薬科大学生命科学部 分子生命科学科卒業
平成16年3月 東京薬科大学大学院 生命科学研究科修士課程修了
(ゲノム情報学研究室、現ゲノム病態医科学研究室)
平成20年3月 名古屋大学大学院 医学系研究科博士課程修了
平成20年4月 島根大学医学部病態生化学 助教
平成23年4月 久留米大学分子生命科学研究所高分子化学研究部門 ポスドク研究員

 鉄は熱いうちに打てと言うように、実験・研究に対してまったく無知で真っ白な状態の私に(授業で習ったはずでしたが。)おもしろおかしく、時には厳しく、研究の楽しさを教えてくださった東薬の先生・先輩方には、今でも大変感謝しております。がん研究からミトコンドリア研究へと分野を変えて研究生活を続けていますが、初心を忘れずにやっていきたいと思う今日この頃です。

杉浦 歩 さん

大学院で今注目のミトコンドリアについて研究しています

平成24年3月 東京薬科大学大学院 生命科学研究科博士課程修了(分子生化学研究室)
カナダMcGill大学 Post-doctoral fello

 ここ数年、ミトコンドリアが元気をなくすことが老化や病気の原因ではと注目されています。私はミトコンドリア目線で健康を保つ仕組みについて研究しています。

 研究室では同じ目標をもったメンバーと朝から夜までともに長い時間を過ごします。研究についての議論やお酒を交えた語らいなど、何ものにも代えがたいひとときだと感じています。

 また、学会や共同研究などの場で外部の方と接する機会がありますが、そうした出会いを通じてさまざまな価値観に触れられたことは、今後の人生の大切な財産になると思っています。

小島 美穂さん

東薬での学びを活かして

平成27年3月 東京薬科大学 生命科学部 分子生命科学科 生命医科学コース卒業
平成29年3月 東京薬科大学大学院 生命科学研究科 修士課程修了(心血管医科学研究室)
オリンパス株式会社 医療開発企画本部 評価技術開発1部

 私は2017年3月に東京薬科大学大学院 生命科学研究科 修士課程を修了し、同年4月にオリンパス株式会社に入社しました。将来の内視鏡の研究開発に関わる部署に配属となり、がんの「早期診断」「低侵襲治療」を進歩させるべく、日々の業務に取り組んでいます。  入社して3か月が経過しましたが、早くも東薬での学びが活きていると感じています。私が実感したことは、大きく分けて以下の2点です。

1. 生命現象を多角的に見るための知識が得られた
 仕事を進めるうえで、生物学だけでなく化学や物理学の知識を必要とする場面があります。生命科学部では、生命に関連する学問を幅広く学ぶことができ、分野の枠にとらわれず考える力が役に立っています。

2. 課題に向き合う力が付いた
 学部4年次から3年間所属していた心血管医科学研究室では、分子レベルから生体レベルまで、様々な研究手法を習得することができました。また、研究で行き詰まったとき、原点に立ち返り、柔軟な思考を意識するといった、課題に対する姿勢も研究室生活で身に付きました。これらの力も、業務の根幹となっています。

 まだ成長途中ではありますが、自分の基礎を作ってくれたのは東薬だと思っています。自分の強みを磨き、医療技術の発展を支えられるようになりたいです。

高橋 直道さん

何か物事を達成するには一人の力だけでは達成できない

平成27年3月大学院生命科学研究科修士課程卒(免疫制御学研究室)
東和薬品株式会社

 私は2015年4月に東和薬品株式会社に入社しました。当社は、黒柳徹子さんのCMでもお馴染みのジェネリック医薬品メーカーです。1年目は「新規製品の承認申請」や「規制当局 との照会対応」など薬事業務を経験させてもらいました。申請にはどんな資料やデータが 必要で、その根拠となるガイドラインや通知などの薬事制度はどうなっているのか、といった医薬品の製造販売承認取得のための流れを勉強することができました。

 2年目からは新規製品の進捗マネジメントに携わっています。ジェネリック医薬品の開発は 何十品目も同時に進んでいきます。そのため、原薬部門、研究部門、製品戦略部門など関連部署の連携・協力がなければ、これだけ多くの品目の開発を円滑に進めることはできません。私たちは「各部門の開発状況はどこまで進んでいるのか」「最近の業界の動きはどうなのか」といった開発に必要な最新情報を社内外問わず品目ごとに収集し、関係部署に発信することで、製品の開発方針を調整しています。そして新製品の確実な発売を目指して日々業務に取り組んでいます。

 学生生活での6年間では、「研究・学会発表」、「部活動(ハルモニア管弦楽団)」「実験教室の企画(ラボdeサイエンス)」など色々なことに挑戦し、多くの経験ができたと思っています。これらの経験から特に学んだことは、何か物事を達成するには一人の力だけでは達成できないということです。研究を進めるにも実験データや論文結果に基づいた研究チームメンバーとのディスカッションがあったり、オーケストラで曲を演奏するにも各パート間での綿密なアンサンブルがあったりで、目標に対して組織として協力することを大切にして取り組んできました。医薬品開発も1つの製品を開発するのに何人もの社員が携わり、関連部門が一丸となって 進めていきます。私は、研究開発に携わる多くの方々と関わりながら業務を行う立場として、学生時代のこの経験を普段の業務に少しでも活かしていければと思っています。

奥田 翔平さん

基礎研究から臨床開発へ

平成24年 3月 生命科学研究部 分子生命科学科 生命医科学コース卒業
平成26年 3月 生命科学研究科 修士課程修了(分子生化学研究室)
ナイフィックス合同会社(株式会社アイコンジャパン)

 私は2014年3月に大学院を修了した後、医薬品の開発をサポートするCROという業種のナイフィックス株式会社(現:ナイフィックス合同会社/株式会社アイコンジャパン)に同年4月に入社しました。現在は抗がん剤に関する試験で臨床開発モニターを務めています。臨床開発モニターは試験がルールに沿って適切に進められているかを確認する仕事で、最新の法律や社内外の手順、医学・薬学の知識が求められます。加えて、今の試験は国際試験のため、英語力も必須となり、日々勉強は欠かせません。

 大学生の頃は学部1年から修士2年までの6年間ほど精神疾患に関する基礎研究をしていました。当時は毎日朝から晩まで研究室に籠りっきりでしたが、未知の事象を試行錯誤して解明していくというプロセスはとても魅力的で、非常に充実した研究生活を送りました。就職活動の際は博士課程に進学するか迷いましたが、自分がやってきたような研究がどのような形で応用されていくのかということに興味を持ち、基礎研究が実用化される工程である臨床開発に携わりたいと考え、現職に就きました。

現在の仕事は書類作成や病院とのコミュニケーションが主になります。仕事内容は研究とは程遠いものですが、試行錯誤する能力や周りの人と議論する能力など、研究生活で培った基本的な力は活きていると感じています。また、近年は細胞内外の特定の分子をターゲットにした分子標的薬という種類の薬が出てきています。そのメカニズムの理解には学生時代の基礎研究の知識は大いに役に立っています。

 社会人として仕事をしていく中で、「大きな目標は一人では達成できない」ということを強く感じるようになりました。学生時代は1から10まですべて自分でやりたいという思いがありましたが、医薬品開発のような大きな目標は1人では達成できません。基礎研究から医薬品となり患者さんに使用されるまでに本当にたくさんの人が関与します。そのため、自分だけが満足する仕事ではなく、周りの人のことも考えながら仕事を進めることが大切だと感じています。また、目前の仕事だけにとらわれて、患者さんにより良い医療を提供するという大きな目的を忘れてしまいがちになります。日々の業務の中には面白くないものもあり手を抜いてしまいそうになりますが、そういった時は何のためにその仕事をしているのか、全体を俯瞰して考えることがモチベーションの維持に重要だと認識しています。

 今は抗がん剤の試験を担当していますが、この分野では近年様々な種類の新薬が出てきており、既存薬と比較して高い有効性・安全性が示されています。この背景には分子生物学等の基礎研究の発展があり、さらにその後ろには研究に情熱をかけた研究者の人達の思いがあります。その情熱を何とか薬につなげたいと思いながら、毎日の業務に取り組んでいます。

山本 由姫さん

タカラバイオ株式会社  CDMセンター

平成24年 3月 生命科学研究部 分子生命科学科 生命医科学コース卒業
平成26年 3月 生命科学研究科 修士課程修了(腫瘍医科学研究室)
タカラバイオ株式会社 CDMセンター

 2014年3月に東京薬科大学大学院 生命科学研究科を卒業し、同年4月よりタカラバイオ株式会社に入社いたしました。

 現在、医療は日進月歩で進化しています。しかしながら現代医療でも治療の難しい疾患が数多く存在するのが現実です。そこで、新たな医療として遺伝子治療が着目されています。弊社は、がんやエイズなどの難治疾患に対する遺伝子治療の臨床開発を行っています。遺伝子治療とは、生まれつき欠いている遺伝子や病気を治すために役立つ遺伝子、あるいはこれらの遺伝子を組み込んだ細胞を直接または間接的に患者さんに投与する治療法です。ここで細胞への遺伝子導入にはウイルスベクターが広く用いられています。私は、学生時代にがんを特異的に攻撃するアデノウイルスベクターの研究を行っていたことから、最先端の遺伝子治療の研究や臨床開発を行っているタカラバイオを第一志望とし、入社することができました。これはひとえに東京薬科大学時代に培った生命科学の知識と数多くの実験実習、充実した研究環境、数々の先生方のご助力のおかげだと思っています。この場をお借りし御礼申し上げます。

 現在の私の業務は、アデノ随伴ウイルスを用いた遺伝子治療用ベクターの作製とiPS細胞由来の心筋細胞への分化誘導技術の確立という二つの仕事を行っています。まったく異なる仕事を同時に行うというのはとても大変なことですが、同時に多くの最先端の技術に携われているという大きなやりがいも感じられます。今後少しでも早く難治疾患を抱える患者さんに新たな治療法の提供ができるよう、東京薬科大学で培った知識と経験を最大限に生かし、日々業務に邁進したいと考えています。

大橋 央さん

新たな抗がん剤の開発を目指して

平成19年 3月 生命科学部分子生命科学科卒業(ゲノム病態医科学研究室)
平成21年 3月 東京医科歯科大学大学院 医歯総合研究科 修士課程修了
株式会社ヤクルト 医薬開発部

 社会人になり、私が最初に携わった仕事は、抗がん剤になりうる薬の種を探すことでした。これは、国内外のベンチャー企業などから紹介を受けた化合物を科学的に評価し、抗がん剤としてのポテンシャルがあるか否かを判断することです。この仕事では、主にin vitro, in vivoといった非臨床試験のデータを中心に評価していましたので、学生時代に学んでいた動物試験や学術的な知識が役にたちました。

 また、この仕事は、主に海外とのやり取りが多いため、英語力は必須であり大変苦労しましたが、海外への出張なども経験することができとてもやりがいのある仕事でした。

 現在は、このような抗がん剤として効果が期待できる化合物を実際に人に投与し、有用性を確認する臨床試験を担当しています。こちらの仕事は、まだ経験が浅いのですが、全国の病院を回り医師と連携をとりながら、新しい抗がん剤の有効性・安全性を検証し、いち早く多くの患者さんの治療に貢献できるよう日々努めています。

 いずれの仕事においても多くの人と接し、協議することが多いため、学生時代4年間サッカー部において上下関係や社交性を学べたことは非常に大きな経験だと感じています。

中島 友里さん

生命科学部からCROのモニターへ

平成25年 3月 生命科学部生命医科学科卒業(免疫制御学研究室)
株式会社エスアールディ

 私は2013年に東京薬科大学を卒業し、同4月に株式会社エスアールディに入社しました。現在、導入研修を終えてモニター認定を受け、抗がん剤の臨床開発業務を担当しています。モニターの仕事は、社内での書類作成から、病院を訪問して医師と面会すること、カルテを閲覧することまで多岐にわたります。中でも私が現在感じている、モニターに必要なスキルは、コミュニケーション力や専門的な医学、薬学の知識です。1日でも早く、安心して使える新薬を世の中に送り出すためには、病院の方や、CROの場合は製薬会社との円滑なやりとりが欠かせません。また、担当分野に関しては相手に分かりやすく説明できるだけの十分な知識を持っておく必要もあります。

 私は東薬で、このようなスキルの基礎となる力を身につけることができました。東薬では、薬理学概論、解剖医科学など、薬や病気、体の構造について学べる環境が整っています。また、生命科学部でありながら薬学部の先生や、有名企業の外部講師の講義を聴けたことも、薬学部を持ち、多くの卒業生を輩出している東薬ならではの特権ではないでしょうか。ここで学んだ知識は、モニターとして薬剤、疾患について考えるうえで非常に役立っています。

 また、4年次に所属した免疫制御学研究室では、がんに関する研究に取り組みました。そこで学んだがんの知識や、実験が上手くいかないときに解決策を模索した経験を、今後のモニターの業務にも活かしていきたいと考えています。

 東薬に入学し、CRO業界に出会わなければ、今、私はモニターの道に進んでいなかったと思います。また、大学を卒業した今でも東薬で出逢った友達やサークルの仲間は、お互いを高め合える、大切な存在となっています。現在はまだ、社内研修や施設への同行などで先輩のサポートをいただきながら経験を積んでいる最中ですが、早く一人前になり、高校時代からの新薬開発に携わって、病気の人を一人でも多く助けたいという夢を叶えられるよう、日々業務に励んでいます。

片山 由貴さん

大学で身につけた知識を生かして

平成25年 3月 生命科学部生命医科学科卒業 (心血管医科学研究室)
大鵬薬品工業株式会社 MR職

 私は、2013年3月に東京薬科大学を卒業し、同年の4月に大鵬薬品工業株式会社のMR職として入社致しました。

 約5ヶ月間の長い研修生活を終えて、現在は松戸出張所で、日々医薬品の勉強をしております。私は、大規模な専門病院では抗がん剤を中心に、市中病院・診療所では日常の疾患を対象にした医薬品の紹介をしております。やはり毎日が薬剤の勉強ですが、大学で学んできた知識が今となって活かされております。また、多くの先生との面談で、たくさんのことを学び、日々の成長を感じております。

 ある開業医の先生を訪問していた際に、なかなか良い反応を頂けない時期がありました。しかし「定期的な訪問で頑張っていたから」といって自社製品を採用して頂きました。このように諦めないで最後まで一生懸命になる力は、学生時代に培ったものだと感じております。4年生では、心血管医科学研究室に所属し、動脈硬化について勉強致しました。実験では上手く結果が出ない時もあり、悩んだ時期もありましたが、最後まで諦めないで臨んだ結果、私の関わった研究が今では論文となって掲載されました。この経験から、諦めないで一生懸命になれば最後には必ず良いことはあると思って仕事に励んでおります。

 現在私は、入社一年目でまだまだ未熟ですが、学生時代に身につけた知識と諦めない気持ちを、今後のMR活動に活かしていきたいと思います。そして癌分野専門のMRを目指していきたいと思います。

櫻井 和之さん

授業と部活を通じて仕事に必要なスキルが養われた

平成19年 3月 生命科学部分子生命科学科卒業
平成21年 3月 大学院生命科学研究科修士課程修了
(ゲノム情報学研究室,現ゲノム病態医科学研究室)
大塚製薬株式会社 薬事監査室

 私の仕事は、臨床試験が適切に行われているかを「監査」を通して評価し、問題があれば開発部門とともにその改善を行うのがおもな業務です。監査というのは、人が行った仕事にあれこれとダメ出しをするため、一般的に嫌われ者ですが、よりよいものを目指すためには欠かせない仕事です。また、日本や世界の動きをいち早くキャッチして、今後どのように治験を行っていくべきか開発部門へ伝えていくのも大切な役割。そのため各国の監査部門の人たちと情報共有し、つねに時代の先端を考えて仕事ができることにやりがいを感じます。

 この業務で大切なのは、その場で考え判断すること、初対面の人とも良好なコミュニケーションをとり大切なことを正確に伝えることです。監査は限られた時間で行われるため、瞬時の判断が必要です。そのため日頃から、どう指摘するか、どう直すのが正解なのか、つねに考える習慣が必要になります。私は大学院時代に1つのテーマを任せられ、いつも研究のことが頭にあったため、自然と考える力が身につきました。また生化学研究部に所属し、自ら考えた実習を行った経験は、相手に伝えるコミュニケーション力を養うのに役立ちました。授業と部活の両面から、仕事に必要なスキルが得られたと思っています。

浅野 円花さん

学生時代に培った知識と忍耐力を生かして

平成22年 3月 生命科学部生命科学科卒業
平成24年 3月 大学院生命科学研究科修士課程修了
(免疫制御学研究室)
アステラス製薬 MR職

 私は、2012年に東京薬科大学を卒業し、同年4月にアステラス製薬にMR職として入社しました。

 現在、循環器疾患・整形外科領域の医薬品を担当し、開業の先生方に対するMR活動を行っています。医療従事者の方々は博識であり、また多くの趣味をお持ちの場合が多く、日々新しい発見の連続です。

 さて、数ある職種の中からなぜMR職を選んだのかと言いますと、「東薬だったから」ということがきっかけです。多くの東薬出身の先輩方が製薬業界で活躍されています。そのような方々に、仕事のやりがいや苦労した点、目標にしていること等、直接お話を伺う機会が多くあり、自分自身もこの道に進みたいと強く思うようになりました。

 ある先輩が「MRは医薬品を通して、人の命にかかわり、その責任は非常に大きい。でもだからこそ、自分が紹介した製品を処方して頂いた医師より患者さんの症状が改善したという話を聞くと、大きな喜びになる。」と話していました。責任感の問われる厳しい仕事だが、その分やりがいも大きいという点に興味を持ち、MRを目指すきっかけになりました。

 東薬に入学していなかったら、MR職に就くことはなかったでしょう。

 東薬での4年間は勉強に研究、そしてサークル活動と大変充実した生活を送ることができ、あっと言う間に過ぎてしまいました。

 自然に囲まれたキャンパスで、様々な実習や幅広い分野の専門的な知識を学びました。東薬で学んだ知識が、現在の土台となっています。東薬で勉強した遺伝子に関する知識、有機化学の知識は、医薬品が体の中でどのように作用しているのかを理解する上で大変役に立っています。

 4年生からは免疫制御学研究室に所属し、何度実験を繰り返しても思うような結果が得られず、どうしてだろう、どうしたらいいのだろう、と自問自答し続けました。その経験から、たとえ結果がなかなか出なくとも継続する忍耐力や精神力を得ることができました。

 学生時代に培った知識、忍耐力、精神力を活かし、アステラスMRとして患者さんの健康に寄与できるよう精一杯努力しています。

川村 将洋さん

自信をなくしたときの処方箋

平成22年 3月 生命科学部分子生命科学科卒業
平成24年3月 生命科学研究科 修士課程修了
(ゲノム情報学研究室 現:ゲノム病態医科学研究室)
第一三共プロファーマ株式会社

【在学中の皆様向け】
 私は今、医薬品を商用の大きなスケールで製造するためのプロセス造りをしています。設定したプロセスの中で、理屈上は問題ないと思っていたけれども実際に動かしてみて問題がありそうな部分を見つけ出し、ケアする方法を考えるまでが仕事です。決して最初から完璧な理屈どおりのプロセスを造ることではないと個人的には思っています。(本当はそれが望ましいのでしょうが、技術が進歩したからこそ見えるようになる問題というケースもありますので)

 今の仕事をしていて強く感じるのは、中途半端な理屈なんか何の役にも立たないということです。そして、自分が考える理屈というのは総じて中途半端だということです。周りには頭がよく経験豊富な上司や同僚がゴロゴロいます。彼らとよく話し合って、私に足りない部分を補い、時間をかけて完璧に練り上げたはずのプロセスで問題が起こることもしょっちゅうあります。どんなに頭がよく、どんなに経験が豊富でも最初から全てを考慮することは不可能に近いです。そんなことができる人は大学や会社にいるよりも他に有意義な頭の使い方があるかと思います。物理学の道にでも進んでこの世界の全ての事象を数式で解明してください。偉人として歴史に名を残せるでしょう。

 理屈上問題がないはずなのに問題が起こるのは、私が考えた“正しい理屈”が実は中途半端で役に立たない理屈だったからです。あるプロセスXに対して、AとBという因子が影響を与える場合について考えたとしましょう。もし私がBを知らずにAについてだけしか考えられていなければ、当然予想した影響と、実際にプロセスXを実行したときに見られる影響は全く違うものになります。全ての因子を把握している天才的な方には先に述べたとおり別の道をお勧めしましたが、我々一般の小市民としては、なにはともあれ実際にプロセスXを動かしてみることから初めてみましょう。もし予想と違うことが起こったら、(手技に問題がなければ)少なくとも「何か自分の知らない因子が影響を与えている可能性がある」ということが理解できます。予想と「違った」ということも大切な成果です。「違った」ということを感じ取れるセンサーがあるのであれば、それもまたひとつの立派な才能です。「違った」ことを臆面もなく表に出してみれば、意外と多くの人が同じ経験をしているものです。それは失敗ではなく真理になります。原因を探る中でD、E、F、Gとさまざまな因子について検証を重ね、たまたまCという因子を見つけることができれば、それはどんなに些細なことでもとても立派な結果なのだと思います。

 学生実習や研究活動がしっかりできている皆様には「なんだそんな当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、残念ながら私がこんな考え方をするようになったのは今の仕事をするようになってからだったと思います。学生時代に実践できていればもっと色々なことができたのにと思います。ですから、このメッセージは、今何かに行き詰って苦しんでいる方へのメッセージです。どうぞ皆様は悔いの残らぬよう、あまり頭でっかちにならずに、ご自身の才能を大切に育んでください。

【高校生の皆様向け】
 東京薬科大学を志す皆様の場合、生物という学問は英語や数学よりもとても不思議で神秘的でキラキラと輝いて見えることでしょう。少なくとも入学前の私はそう感じていました。けれど、不思議で神秘的だからこそ、生物を理解することは文法や公式を理解するよりも、より一層大変な道のりになるかと思います。

 皆さんが生物の教科書から得た知識は“代表例”に過ぎません。「そうである可能性が高いけれども、実はそうじゃない場合がけっこうあるんだよ。」と、そう教科書に書いておいて欲しかったと本気で思っています。無数の細胞ひとつひとつの中で“そうじゃない場合”が沢山組み合わさっているからこそ不思議なことが起こるのではないでしょうか。

 皆さんの前に広がっているのは、皆さんがまだ知らない“そうじゃない場合”が複雑に絡まりあった無限の可能性です。今の気持ちを大切に、大きく羽ばたいてください。

飯田 真弓さん

「伝える」ことの難しさ

平成26年3月生命科学部分子生命科学科卒
平成28年3月大学院生命科学研究科修士課程卒(免疫制御学研究室)
マルハニチロ株式会社 グロッサリー事業部 開発課

 私は2016年に東京薬科大学修士課程を卒業し、同年4月マルハニチロ株式会社に入社しました。グロッサリー事業部に配属となり、缶詰やレトルト食品などの常温での流通が可能な商品の開発業務に携わっております。最初に抱いていた開発のイメージ以上に沢山の方々と連携して一つの商品を作り上げており、時には冗談を言い合いながら毎日楽しく仕事に勤しんでいます。自分の担当商品が発売された時の達成感は何にも代えがたいものです。

 仕事内容は大学で学んだこととは関係ありませんが、大学生時代の経験は今でも大きく影響しています。特に大学院では自分の研究内容を伝える機会が多く、先生方や同期に何度も添削や発表を聞いて頂いたことは、仕事をする中でも活かされています。社会人となった今、より「伝える」ことの難しさを感じていますが、研究室の経験があるからこそ1つずつ乗り越えていけると思っています。

 大学は自由に勉強出来る分、自分次第で良い方にも悪い方にも転んでしまう環境です。ただ東京薬科大学は多くの先生方、スタッフの皆さんがいて努力する学生を受け入れてくれる環境があります。私は自由に勉強出来た学生生活を東京薬科大学で送れたことを心から良かったと思っています。また大学での経験は勉強だけでなく、部活やアルバイトも今後に大きく影響します。是非、悔いのないよう学生生活を楽しんでください。

今泉 達也さん

大学生活が自分のスタンスを決定づける

平成26年度生命科学部分子生命科学科卒
平成28年度大学院生命科学研究科修士課程卒(免疫制御学研究室)
株式会社ユニカフェ 品質管理部

 私は2016年に東京薬科大学の修士課程を卒業し、同年4月、株式会社ユニカフェに入社しました。あまり聞きなれない社名ですが、UCC上島珈琲を主体とするUCCホールディングスのグループ会社であり、コーヒー豆の焙煎加工を専門に行っています。ホールディングスでの合同研修を終えた後、品質管理部への配属となり、現在に至ります。品質管理業務では主に、お客様の口に入るコーヒーが安心・安全かどうかを、味覚面・科学面など様々な角度から検査し、最終的にその合否を判定します。この道に歩んだのも、学生生活においてコーヒーを特に嗜んでいたことがきっかけだったと、今でもふと、大学生活を思い出すことがあります。

 東京薬科大学では、人生の約4分の1にあたる6年間を過ごし、その色濃い学生生活や研究生活で得た知識や経験は、業務に直接関係はなくとも、今の私のスタンスを決定づける重要な要素でした。それらは、いくらスーツを着ようとも、いくら出勤を繰り返しても、なかなか記憶からは消えてない事柄です。まだ学生の皆さんは「出来事」をたくさん作ることに専念してみてください。その量と質が、学生と慣れない社会人とのギャップを埋める糧と成り得えてくれます。

 現在では、新入社員として専門的・社会的な知識を取り入れて、この分野において最前線の人材になれるよう日々努力をしています。そのため、知識を得るための材料・ツールが揃っている今の環境には満足しています。そして何より、それを得ようとする意欲こそが私の原動力がなっています。「興味があることは妥協なく追求する、興味がないと意欲すら湧かない」というあまり褒められた内容ではないですが、学生時代から変わらない私のスタンスです。会社にも、このありのままの性格をかってもらい、採用に至ったと考えています。なので、自分には何が求められていて、その自分には何が発揮できるのか、日々を「平凡」にしないよう常に意識して仕事に取り組んでいます。そしていつか、自分なりのプロフェッショナルになれるよう、これからも東京薬科大学で得たものを大切にしていきます。最後に、皆様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

戸田 晴美さん

東京薬科での研究室の過ごし方は、社会に出てからも必ず活かされます!

平成24年 3月 生命科学研究部 分子生命科学科 生命医科学コース卒業
平成26年 3月 生命科学研究科 修士課程修了(分子生化学研究室)
日本製粉株式会社 加工技術研究所

 私は、2014年3月に東京薬科大学大学院生命科学研究科を卒業し、同年4月から日本製粉株式会社に入社いたしました。約4ヶ月間の座学、工場研修を経て、8月より加工技術研究所にて商品開発の業務に携わっております。製品の配合のうち、わずかな資材の量の違いにより、食感に大きな差が生じることも多く、開発業務の面白さ、難しさを感じながら日々取り組んでいます。

 東薬での6年間は、研究、サークル、バイト、海外旅行と思いっきり遊んで学び、充実した時間を過ごすことが出来ました。友人とベンゼン池でのキャッチボールや、食堂で時間を忘れて語らったことはとても思い出に残っています。

 私の現在の仕事内容は食品関係のため、学生時代の研究テーマとは直接の関連は少ないのですが、研究室で学んだことは大変日々の業務に役立っていると感じています。それは、研究での考え方、コミュニケーションの取り方、取り組み姿勢の3点です。研究室では、一人一人テーマがあり、ゴールに向かって仮説を立てて検証することの繰り返しであると思います。私の現在の仕事は、製品の開発(商品が市場に出されるまで)がゴールであり、そのために、仮説を立て、検証し(商品の試作を行い、外観、食感などの比較を行います)、軌道修正をし、出来るだけ最短の時間で成果を出すことが求められます。上司への報連相もとても大切であり、相手の立場や状況を考え、自分の考えを簡潔に伝えることが必要です。たとえ今の研究テーマが将来の仕事の内容に直接関係がないと考える人も中にはいるかもしれませんが、研究室での過ごし方は、社会に出てからもとても大切です。東薬では先生方がとても面倒見がよく、丁寧にご指導してくださる絶好の環境が整っており、多くのことを学ぶことが出来たと感じています。

 私もまだまだ配属されたばかりで失敗も多く未熟ではありますが、分子生化学研究室での経験を活かし、仕事での夢をかなえるためには、何が必要なのか逆算して小さな目標たて、その目標を達成できるようにこつこつ頑張って行きたいと考えています。将来の夢は、海外での開発業務にチャレンジすることです。

堀場 聡 さん

大学で蓄積した知識が研究に役立っています

平成19年3月 生命科学部 分子生命科学科卒業
(ゲノム情報学研究室、現ゲノム病態医科学研究室)
平成21年3月 東京大学大学院新領域創成科学研究科 修士課程修了
株式会社カネボウ化粧品 価値創成研究所 皮膚科学研究グループ

 私の所属する皮膚科学研究グループでは、 「なぜシミができるのか」「なぜ肌は乾燥するのか」 などの疑問を解明するため、肌で起きる現象のメカニズムを皮膚由来の細胞を用いて研究しています。その知識を生かして新規スキンケアコンセプトを生み出し、 それをもとに有効成分を開発できるよう日々励んでいます。 美容雑誌などでスキンケアコンセプトが取り上げられているのを目にしたとき、いつか自分の研究もこの記事のようにスキンケア化粧品に応用され、女性の美に貢献できることを思うと、 やりがいを感じています。

 私が現在用いている実験手法は、 学部時代に授業や実習、 卒業研究で学んだものです。 企業では、 実験手法の基本原理は知っているものとして扱われるため、私が現在研究を行うことができるのは、 大学で蓄積してきた知識のおかげといっても過言ではありません。

 また、 学生時代にサッカー部の活動で培ったコミュニケーション能力も非常に役立っています。 普段なかなか話しかけづらい先輩も、スポーツを通すことで、 古い友人のように接することができることを部活動から学びました。 実り多い学生時代を過ごさせてもらったことに感謝しています

兒仁井 花恵さん

世界の生活者の健康を目指し顧客ニーズに迫る

平成25年 3月 生命科学部生命医科学科卒業(心血管医科学研究室)
平成25年 4月 ユニ・チャーム株式会社入社

 私は2013年に生命科学部を卒業し、同4月にユニ・チャーム株式会社に入社いたしました。座学・営業研修を終えて、現在は顧客密着から商品価値を作り出す、商品開発のResearch業務を担当しています。

 弊社では、「赤ちゃんからお年寄りまで、生活者がさまざまな負担から解放されるよう、心と体をやさしくサポートする商品を提供し、一人ひとりの夢を叶えたい」という企業理念「NOLA & DOLA」(Necessity of Life with Activities & Dreams of Life with Activities)のもと、ベビー用紙オムツを中心とするベビーケア用品、ナプキン・タンポンなどの生理関連用品、大人用排泄介護用品、シートクリーナーなどの掃除用品、ウェットティッシュや立体型マスク、ペットケア用品などを提供しています。

 製薬業界の就職が強い東薬にも関わらず、なぜ生活用品メーカーに就職を決めたか、そのPointは次の3点です。

 ①人の健康増進に大きく貢献できるから 心血管医科学研究室で取り上げた動脈硬化の予防・診断マーカーの研究では、人の健康増進に大きく役立ちます。健康でより自分らしく過ごせる時間を増やすという目標は、ユニ・チャームにおける介護・生理用品の目指すビジョンと同じではないか、と考えました。

 ②”私が創った商品”を誇りを持って人に紹介できるから 学部4年生の時、教授の渡部先生をはじめとする先生方にご指導を賜りながら、実験方法について熱く議論をし、出来あがった研究結果(卒業論文)は私の大学時代の誇りでもあります。 そのようにして、弊社でもあらゆる生活者の不快を快にかえるためにチームで協力しあい、議論を重ね、誇りを持てる商品開発に携わりたいと考えました。

 ③消費者に選択権があるから 東薬祭ステージにて司会進行を2年間担当した際、観客からどう見えるか・聞こえるか・楽しめるかを常に考え練習を重ねました。担当ステージをより楽しんでもらえるために、次の年も来場してもらえるように、相手の立場に立って考える大切さを学びました。

 メーカーはお客様自身が商品選択をします、つまりお客様の”欲しい!”を探るために様々な立案・検証・分析が欠かせません。その過程で、東薬祭で培った”顧客視点になる”ことが活かされるのではないかと考えました。

 東京薬科大学での4年間は、友人と一緒に勉強したこと、東薬祭で沢山の先輩と仲良くなれたこと、沢山の濃密な思い出が詰まっています。

 都会の大学ではなく、大自然の中の立地であったために、学内での活動が盛んだったのではないでしょうか。他大学の友人と比べ、先輩や同級生との繋がり・先生との密なコミュニケーションがあると感じています。

 各分野の最先端で活躍する教授・現役医師・生きた英語…そこで学んだ健康への熱い想いは今の仕事のルーツでもあります。

 1年生から始まる学生実習ではさまざまな実験をし、更に心血管医科学研究室では遺伝子組み換えマウスを使った動脈硬化の研究リーダーとして論文までまとめあげました。「机上の空論にしない・手を動かし失敗の原因を探る」という貴重な経験は、メーカーの開発者・リサーチャーとして「挑戦すること・そのための準備を備えること」に活きていると考えています。

 これからも、世界中の生活者の健康(不快を快にする)に寄与すべく、精一杯努力していきます。

吉野 ひとみさん

生命科学からコンサルタントへ

平成29年3月 生命科学研究科博士前期課程修了 修士(分子細胞生物学研究室)
アビームコンサルティング株式会社

  私は、平成29年3月に生命科学研究科の修士課程を修了し、4月からアビームコンサルティング株式会社に入社しました。コンサルタントとは、主に企業の経営や管理について専門的な立場から指導や助言をし、その企業がより活躍できるように支援していく仕事です。そのためには、依頼主である企業の状況を細かく分析し、課題解決策を模索しながら的確な判断を行い、何がその企業にとって最善となるのかを提示していく必要があります。求められる知識や技術は幅広く、アビームコンサルティングでは、入社後4、5ヶ月間に及ぶ研修があり、コンサルタントとしての素養をじっくりと身につけていきます。大学・大学院時代に経営学や経済学、商学などを学んでこなかった私にとっては、とても有り難い制度です。研修は、基礎知識を学ぶ講義の他、グループに分かれて時間内に問題を解決する実践型の演習、工場見学を含めた実地研修、プレゼン資料の作成と発表、討論など多岐に渡ります。さらに、グローバル社会では英語力も必須であるため、英語での講義あり、奮闘しています。

 私は在学中、分子細胞生物学研究室でミトコンドリアの膜融合に関与するSNAREタンパク質のSyntaxin17について研究していました。修士修了後の進路を考えるにあたり、学内で開催された医療系の企業説明会に参加したり、研究室のOB・OG、先生方に話を聞いたりしました。生命科学部で学んだ知識や経験を活かすならば、理科教員や製薬系企業、博士課程への進学が良いのではないかと悩みましたが、人の相談にのることや、論理的に物事を考えることが好きなため、人に寄り添って話を聞きながら問題を見出し、課題を解決していくというプロセスがある専門職として、コンサルタントを選択しました。

 大学では、生命科学に関する専門的な知識はもちろん、研究する上で必要な技術も多く学びました。コンサルタントは、一見、大学での学びとは無関連のようですが、大学で学んだこと、特に研究室での学びはどのような場所でも活かしていけると私は考えています。たとえば、学部で生命科学について広く学び、研究室で1つのテーマについて突き詰めて研究できたことは、コンサルタントでも必要とされる広い視野で課題をとらえ、その課題を論理的に分析・解析することに役立つだろうと考えています。今はまだ研修中なので、この先、コンサルタントとしてどのように人や企業と関わり、社会に貢献できるのかは未知数ですが、学んだ知識を自分なりに社会に還元していけるよう、日々精進したいと思います。これから就職していく東薬生の皆さんも、枠にとらわれずに自分の可能性を見つけ、紆余曲折しながら自分なりの道を切り開いていってください。

尾形 佳靖 さん

多くの研究者や医師と知り合えるのが医学系編集者の醍醐味

平成19年 3月 生命科学部分子生命科学科退学
(3年次大学院飛び入学のため)
平成21年 3月 大学院生命科学研究科修士課程修了 (分子生化学研究室)
株式会社 羊土社 編集部

 おもに基礎医学系の研究者をターゲットとした単行本や月刊誌「実験医学」の企画から編集・制作までの一連の業務を行っています。

 この仕事の魅力は、たくさんの研究者や医師と知り合えることです。病気のメカニズムから医療・創薬にいたるまで、生命医学研究の最先端の内容を直接聞けるのは、医学系出版社の編集者ならではだと思っています。また、国内のみならず海外の先生からも「雑誌が届くのを楽しみにしているよ」と言われたり、自分の担当した特集企画について好評の声を聞いたりすると、やはり素直に嬉しいですね。

 普段の業務では、科学論文を読むことはもちろん、分子生物学や生理学、医学の基本やその実験手法を理解していることが求められます。私は東薬で約2年半にわたり分子生化学研究室に所属し、さまざまな疾患研究を推進するスタッフの方々に指導していただけました。その経験はいま、大いに役立っているといえます。

 また、研究室の同期や、学部時代に部長を務めた生化学研究部の仲間たちとのつながりは、社会人になった今でもかけがえのないものです。研究留学を決めた友人、大手製薬会社で奮闘する友人、東南アジアで教師をする友人、編入学で医師への道を歩む友人など、みんなの活躍に日々、励まされています。